失敗
ボランティアに行ってきた。
待ち時間に不登校の子どもについて話していた。
そこで先生からこんな言葉が飛び出た。
「経験がいつもプラスにはたらくとは限らない」
一瞬ハッとしたが冷静に考えれば当たり前のことだ。
よくない経験をすればマイナスに向かうこともある。
自分にも思い当たる。
小学生のとき挙手をして答えを間違えてしまった。
前に座っていた子が振り返って「違うよ」と言って嫌な顔をした。
僕は泣いた。
僕は「間違えると嫌な顔をされる」という経験をしてしまった。
答えが分かっていても挙手をしないようになったし、指名されるのがとても嫌だった。
中学生のときにクラス委員をやっていた。
クラス委員は始業の号令「起立、礼」をかける。
僕は「起立」の「り」が上手く言えなかった。
「り」が「でぃ」になってしまうのである。
その度に隣の女子が後ろの女子を顔を見合わせて笑う。
たぶんこっちが気づいているのを知っていただろう。
これが毎日10回ある。
だから「り」が言えるがどうかに要らぬ神経を使うようになった。
ホント嫌だったし、そいつを今でも恨んでいる。
僕は「失敗すると笑われる」ということを経験してしまった。
そういう経験があって間違うこと、失敗することが嫌で仕方がない。
だからこそ色々な挑戦から逃げてきた。
失敗から立ち直れないタイプの人が若者に増えていると聞く。
自分もそのうちの一人だ。
「間違えてもいいんだよ」
「失敗してもいいんだよ」
これをもっと早く大人に言って欲しかった。
自分へ
「嫌って言え」
「恥をかけ」