あなたへ
親愛なるあなたへ
あなたは教えてくれた
わたしが好きな人と身震いするくらいの大きな幸せを感じてよいということを
その価値のある人間であるということを
本当はそんなこと当たり前なはずなのにな
わたしは不幸せに魅せられてしまっていた
暗い孤独の中で油くさく影絵を愉しんでいた
そんなわたしをみつけてくれたのがあなただった
まるで陽のもとへ引っ張りだされたよう
それからいつもあなたに精一杯応えようとした
そしてあなたはわたしを必ずみてくれていた
そんなあなたが幸せになる
こんなにうれしいことがあるのだろうかと思って
赤ん坊みたいに思いっきり泣いてやった
わたしはわたしの人生をこの幸せのもらい火をたよりに進もうとしている
壁にぶち当たってもまたここに戻ってくる
親愛なるあなたへ
どうもありがとう
どうかお幸せに